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最高の勉強法について

更新日:2024年9月19日

アクティブリコール(Active recall)


 安川康介著『最高の勉強法』で提唱されていた勉強法で、耳にあまり慣れていない言い回し。


 すなわち、「勉強したことや覚えたいことを能動的に思い出すこと、記憶から引き出すこと」を指している。


 一般的な勉強はインプットのみで、効率が悪いし、テンションも上がらない。


 その対策としては、誰かを教えることが効果的。例え相手がいなくても、一人でブツブツ呟いたり、紙に書き出すなども同様な効果が期待される。


 その意味で、授業中の小テストは学生たちに嫌がられるけど、実は結構有効。例えば、7分読んで、7分思い出すなど。


 同じような勉強法で、まず思い出されるのは、あの有名な「ファインマンテクニック」。すなわち「人にわかりやすく説明すること」を通して、その事柄への理解をいっそう深める勉強法。具体的には、以下の四つのステージがある。


 Concept(概念)→Teach(教授)→Review(見直す)→Simplify(簡素化)

 また、必要に応じて、その四つを繰り返す。


 教えることの効果について、実は古くから言われている。『礼記・学記』には、


雖有至道,弗学,不知其善也。故学然後知不足,教然後知困。知不足,然後能自反也;知困,然後能自強也,故曰:教学相長也。《兌命》曰:「學(斅)學半。」其此之謂乎!


 すなわち、「学び」のプロセスは、「学び」→「不足を知る」→「教える」→「困ったことを知る」→「自強する」。故に、「教えることを学ぶことは相い長ず」になる。教えることを学ぶことを互いに促進することになる。「学学半」は「教学半」(「教」と「学」は通仮字)の意味で、教えることは学びの半分になることの意味。


 ちなみに、今は慶應義塾の教育精神になっていた福沢諭吉の「半学半教」(教える側と学ぶ側が互いに教え合い、学び合い)の教育方法は、本来、学資が乏しくなる際の下策(「……社中素より学費に乏しければ、少しく読書に上達たる者は半学半教の法を似て今日に至るまで勉強したることなり。此法は資本なき学塾に於て今後も尚存す可きものなり。」『慶應義塾改革の議案』1876年)のように見えるが、実は、最高の勉強法として、要領を得ている。


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